従来の報酬額表をベースに取引先に応じたアップダウンをさせるのが主流

既に以前のページでも触れたとおり、その昔、社会保険労務士の報酬は全国社会保険労務士会連合会が定める報酬基準を元に、各都道府県の社会保険労務士会によって一定額に決められており、社会保険労務士がそれぞれ決めることはできませんでした。
しかしながら、社会保険労務士法の改正により報酬の自由化が図られ、今では個々の社会保険労務士が自由に設定できるようになりました。

しかしながら、新人社会保険労務士にとっては、この「報酬を決める」ことがなかなか難しいのではないかと思います。

「そもそも新人が先輩方と同様の報酬設定をしてよいのか」
「でもあまりに価格を下げてしまうと、業界全体の相場が崩れてしまい良くないだろう」
・・・等々、社会保険労務士として初めて報酬を設定する際には、様々葛藤があるものと思います。

ここでは、社会保険労務士がどのように報酬を決めているのか、実際のところをご紹介したいと思います。


・基準撤廃後も、今なおベースとなるかつての報酬基準

私自身もそうですが、現状、多くの社会保険労務士が、以前の報酬基準を参考に報酬を決めているようです。
報酬が自由化されたわけですから、極端な話、同じ仕事をするにしても「1円」だって「100万円」だって、顧客が納得すれば問題ないわけです。

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しかしながら、報酬額の極端な引き上げ、引き下げは、やはり社会保険労務士業界全体に少なからず影響を及ぼします
最近問題になっているのは、後者の「引き下げ」です。
仕事が欲しいあまりに、相場よりも極端に低い報酬を提示して、とにかく自分さえ数こなせればよいという自分勝手な輩がずいぶん増えてきているようです。

繰り返しになりますが、一人が価格を下げれば、周囲もそれに応戦する必要が出てきます。
顧客としては少しでも安い方がありがたいわけですから、どうしても報酬提示の低い事務所に仕事が行くようになってしまいますからね。
これではまともな事務所が破たんしてしまいます。

このような背景から、最近では社会保険労務士業の価格崩れが少しずつ、生じてきてしまっています。
このことは、業界全体にとっても、そして今後の自分自身にとっても、決して望ましいことではありません。
皆さんが開業したら、このような報酬設定を真似してはいけませんよ。


・顧客によって微調整を加えるのはアリ!

報酬設定については、多くの社会保険労務士が依然の基準を相場としつつも、実は顧客に応じて若干の調整を加えています。
この調整はどのように行われるかというと、それはもう「さじ加減」です。
小さな会社で明らかに余裕がなさそうであればディスカウントし、一方である程度安定していて「相応の対価を払うこと」に価値を感じている事業主様相手であれば若干上乗せしたりします。
また、同じ業務でも、社内準備の状況によってこちらの業務量が変わることがありますから、そういった要素を加味することも大切です。

新人の頃は自信がないために、どうしても自分の仕事を安く見積もりがちになりますが、それではいけません。
同じ会社相手に、一度低く設定した報酬を上げていくのはなかなか難しいもの
先々自分の首を絞めることにならないよう、くれぐれも注意しましょうね!